先日、ブログにお問い合わせいただいたんです。
「着床前診断は検討したことありますか?」という内容だったのですが、
私、あまり詳しく知らなかったんですよね。
出生前診断とか、着床前診断とか、聞いた事はありましたが、
特に医師から勧められたこともないし、自分には関係のない話なのかと思っていました。
多分以前に、男女の産み分け?かなんかのお話で「着床前診断」という単語を目にしたことがあって、
産み分け以前に妊娠しなきゃならない身としては、
全く興味が持てなかったような気がします。
今回、お問い合わせいただいて初めて、少し調べて見たら、
知らなかった事実がどどーーーーんと出てきて。
知らなかったし、知りたくなかったとも言えるかもしれませんが(^^;)
ものすごく詳しく調べてはいませんし、
私は本当に不勉強なので、「そんなの不妊治療してたら知ってるよ!」という情報なのかもしれませんが、
知らなかった方のために、書いておきますね。
着床前診断・着床前スクリーニングとは
5分割以上の受精卵(胚盤胞)の1部を検査し、移植前に染色体の数を検査すること。
着床前診断とか着床前検査とか、着床前スクリーニングとか、名称が色々あるようですが、
大まかには上記の内容のことを指すようです。
この説明だけで大体わかると思いますが、
移植前に検査することによって、悲しい流産や子宮内胎児死亡を防げる可能性が高いのです。
初期流産はほとんどの場合、染色体の以上から起こりますからね。
どんどん妊娠できるかたならいざ知らず、
不妊治療をしている私たちにとっては、
移植→着床→流産
という流れは、
時間も使う・精神もボロボロになる。良いことないんですよ。
それならいっそ、着床しないでくれと何度思ったことか。
でもここまでは、「そうかー移植前に検査できたら良いな、でも運を天に任せても良いよね」程度の、
そこまでこの検査を重くは考えないと思うんです、私はそうでした。
ですが、もうちょっと調べて見たら、驚きの事実を見かけてしまいました(TT)
正常な胚盤胞の割合
2012年までにアメリカで行われた、約1万症例・6万個の胚盤胞に対して行われた着床前診断で、
私が見たグラフでは全て年齢別に割合が出されていたのですが、
38歳を超えると、胚盤胞の3個のうち1個が正常。
41歳を超えると、5個のうち1個が正常。
5個のうち、1個が異常で4個が正常じゃないんですよ?4個が異常なんですよー!
もちろんこの年齢も、AMHではなく実年齢なので、
AMHで考えたらもっと恐ろしいことになりそうな…
染色体が異常な受精卵をいくらお腹に戻しても、出産はできないのです。
着床してもしなくても、結果、流産してしまうのです。
ダウン症児は、軽度の染色体異常なので、生まれてきてくれるかも知れません。
でも、出生前診断でダウン症児だとわかった親は、97%の確率で産まない道を選ぶのです。
それが現実なんですよね…
胚盤胞まで育っても、それがどれだけ綺麗に分割できていて良い卵に見えても、
染色体の異常は検査をしなければわからないんですよ。
絶対に産まれてこられない受精卵を移植する、
これは…どう考えたら良いの??
命の選別?
日本では、この検査は命の選別につながる、として反対意見が根強いらしいです。
でも調べたらできるところは着々と増えていて、札幌でも医大などで行われているようです。
日本産婦人科学会、積極的に進めようとしていないようなので、
まだまだ一部の病院でしか検査できない現状のようです。
でもねーいつも思うんですけど、
昔だったら助からなかった病気の人でも、今は医療の進歩で命が助かりますよね。
不妊治療に関しても、同じように考えてくれないかな?と。
特に日本は、不妊治療への風当たりが強めといいますか、
出生前診断が普及するときも、「命の選別」て言葉を見た気がしますが、
自然であること以外を排除するって考え方は、ちょっとおかしいかな、と、思うんですよね。
誰だって、健康な赤ちゃんを産みたい、産めたら良いなと思う。
それを検査することってそんなに悪いことなんでしょうかね?
今は誰もが受けられる検査ではない
- 夫婦のどちらかに染色体の異常があり、流産を繰り返す
- 重い遺伝性の病気がある
など、限定された人しか受けられない検査のようです(軽くしか調べてないので、違うのかも知れませんが)
でも最初の、「流産を繰り返す」て、
繰り返す前に検査させてくれよーと思うのは私だけでしょうか(^^;)
何度も悲しい思いをしないと認めてもらえないのはなぜ。
あと10年もしたら、普通に移植前に検査が認められるようになるかもしれませんね。
その頃には私は50歳、流石にもう治療はしていないでしょうねー。
遅すぎますし考え方が古すぎます、日本産婦人科学会。